林菜都子のバリ島滞在記 – 農園編 Part1

2017.11.25
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こんにちは。LIGHT UP COFFEEの林菜都子です。この夏私はバリ島のコーヒー農園に約2ヶ月滞在してきました。

前回の日常編ではバリの土地や日常風景についてお話しさせていただきました。

そして今回から農園編ということで、農園に滞在して個人的に感じたことを2回に分けて書かせていただきます。

 

▲バリ島の北部、キンタマーニのベランティ村。標高は1,300mほど。

 

何をしに行ったか、知りたかったか

もともと私は「農園に行きたい!コーヒーに農業から貢献したい!」と思いLIGHT UP COFFEEのメンバーになりました。LIGHT UP COFFEEは特にアジアへの取り組みに力を入れています。今回のバリ島行きも、バリ島のコーヒーの品質向上が目的です。

 

私自身は今回が初めての農園訪問でしたので、個人的な目的は「実際を見る、知る」というシンプルなものにしました。本やインターネットでたくさんの農園の写真や動画から情報を見て知ることはできますが、なかなか実際のイメージがわかなかったからです。どのような流れでコーヒーが生まれるのか、どのような場所で作業がされるのか、実際に見て感じたことが少しでもみなさんに伝わればいいなと思います。

 

農園名: Belantih(べランティ)農園
農園主: Wayan(ワヤン)
Instagram: http://instagram.com/belantihcoffeefarm

 

▲居住区から車で5分ほど離れたところに農園があります。道は途中まではしっかり整備されています。

 

農園ってどんなところにあるのだろう。これが最初の私の疑問でした。ここでは山の斜面に沿うように植わっていました。山のふもとまで下ると川があり、そこからホースで水を引き上げているそうです。ホースは地面に埋まっていました。水はとても綺麗でした。(測定結果:124ec 62ppm ph7.77〜7.80)

 

▲そして砂利道に。みなさんここをバイクで走ります。私のバイクは砂利道に対応できず、一度ブレーキが壊れてしまいました。

 


 

▲作業ができる広場を中心に農園は広がります。ちょうどチェリーの収穫中でした。

 

実際の農園と本の世界

コーヒーに関する本に載っている農園は、設備が大きく、人もたくさんいる農園なのだと思いました。

私がお世話になった農園は家族で経営しており、基本精製の作業は私含む4人でしていました。本に出てくる発酵槽もなかったのでザルで手洗いしたり、バリは雨が多いのに当初はグリーンハウスがないが為にコーヒー豆の周りを包んでいる薄茶色の皮(パーチメント)が乾燥中に変色してしまったりといった問題もありました。

しかしグリーンハウスがない、精製する技術や設備がない農園はたくさんあります。まるでもって知識が役に立たない、初めて知る、経験することだらけでした。

 

▲訪問した当初、グリーンハウスは未完成。翌週には完成しました。

 


 

▲グリーンハウスのない当初は雨で濡れてしまわないようにビニールシートで覆ったり軒下に避難させたりしていました。通常は乾燥させるため陽の下に広げておきます。

 


 

▲結局雨が何日も止まず、悪いバクテリアが繁殖しないようにする為にビニール袋へ移すことになりました。

 

雨との戦い

今年のバリは、乾季にもかかわらずがたくさん降りました。収穫したチェリーは割れその隙間から虫が卵を産んだり、味に影響してくる発酵過程が収穫前から進んでしまったり、収穫そのものができず熟しすぎてしまったりと大きな課題になりました。

乾燥も、グリーンハウスのなかった当初は湿気で豆は黒ずんでしまい破棄してしまうものもありました。

本にはこんな時の対応方法なんて書いていないので、他のベテラン農園主と連絡をとって現在の状況がどうなのか、そしてその対処方法を教えてもらったりしました。毎日が戸惑いと、本当に出来上がるのか、そして美味しくなるのかの不安でした。

 

▲割れてしまったコーヒーチェリー。

 

▲ハエの幼虫が入ってダメになってしまったものも多数見かけました。

 

▲悪天候によって、いびつな形の不成熟なコーヒー豆も増えます。

 

収穫が肝心か

よく私も「コーヒーチェリーっていう赤い実からコーヒーの豆ができます」とお客様にお話しするのですが、きちんと完熟した赤い実だけを収穫してくれる作業員は、実はバリ島にはいませんでした。

未熟なチェリーからは青くさく甘みの弱いコーヒーが、完熟したチェリーからは甘くおいしいコーヒーが生まれます。ワヤンは理解があり、そこが最大の課題だと一生懸命自身の農園の、ピッカーと呼ばれるコーヒーチェリーを収穫するスタッフに指導をしていました。

なぜ選別しなければいけないのか、その理解を得るにはかなりの時間を有すると思います。いいチェリーは高く買うよといっても、なぜいいチェリーでないと高く買ってくれないのかという押し問答になります。これは現地に行くと言葉以上に難しさを実感しました。

 

ワヤンはそうした中、収穫した実を選別するところまで指導することができました。

 


 

▲収穫されたチェリー。選別して収穫してくれたものとそうでないものは一目瞭然。

 

しかし滞在の途中、このワヤンの農園の収穫量が雨による収穫減で期待している量に全く足りないことがわかり、同区域の別の農家さんから買うことになりました。

やはりピッカーが一番重要。ピッカーに頑張ってもらわない限り、質の高いチェリーを揃えるのはとても難しいということを体感しました。

 

次回 『バリ島滞在記 農園編Part2』

というわけで、次回『バリ滞在記 農園編Part2』では、実際に農園で行ったコーヒーの細かい精製についてご紹介します。

お楽しみに!

 

林 菜都子

LIGHT UP COFFEE