宮崎弘隆の台湾珈琲農園訪問記

2018.12.12
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こんにちは、LIGHT UP COFFEEの宮崎です。

 

前回のバリ島でのコーヒーの生産も無事に終え、東京コーヒーフェスティバルではたくさんの方々にバリ島のコーヒーを楽しんでいただけました。

そして今回、僕たちは台湾のコーヒー農園に滞在しています。農家さんとの次の生産に向けての打ち合わせ、そしてアジアで美味しいコーヒーを作る為の新しい実験をしにきました。

 

台湾のコーヒー農園

今回訪れたのは台湾中部に位置する阿里山にある農園、台北から車で4時間ほどで着きます。

標高は1,200m、日本だと阿里山はお茶の産地として有名ですね。そもそも台湾がコーヒー生産地であることを知らない方も多いかもしれませんが、実は台湾も立派なコーヒー生産国なんです。丁度12月に収穫が始まったばかり。

 

 

農園の名前は卓武珈琲農園、農園の運営を行っているのはイエイさん、コーヒーの生産は彼が中心になって行っています。

農園にある家には彼の両親が住んでおり、僕たちもここで寝泊まりさせていただきました。その家の周りを囲むようにして農園が広がっています。

 

左の方がイエイさん。右の方はコンサルタントでQグレーダーの資格を持つエドガーさん。今回はこの二人に僕たちの精製実験を手伝っていただきました。

 

山の緩やかな斜面に沿ってコーヒーの木が広がっています。

 

農園の規模は7ヘクタールもあり、複数の品種が育っています。品種ごとに区画分けされていて、ティピカ、SL34、そしてゲイシャも育っていました。

種の多くは交友のあるハワイの農家さんからいただいたそう。貴重な品種ばかりで大興奮でした。

 

 

 

この木々はケニアで研究、開発された品種のSL34。この一帯で育っているのは紫色の新芽が出るタイプのものですが、別の区画では緑色の新芽が出るものも育っています。
世界一美味しい品種とも言われているゲイシャ種。チェリーを食べてみると他の品種よりも果汁たっぷりで甘くて美味しかった…。

 

精製設備も整っており、農園で収穫されたコーヒーチェリーは精製施設に集められ生産されます。パルパー、水洗設備や乾燥場はもちろん、コーヒーチェリーを貯蔵するための巨大な冷蔵庫もあります。

 

メインでコーヒーの生産を行うのは3〜4人のみ。皆さんとても働き屋さんです。

 

収穫してから劣化が進んでしまうコーヒーチェリーをこの冷蔵庫で保管することでできるだけ鮮度を保っています。

 

日中は天日干しにして乾燥を行っています。乾燥ムラのないように手で広げるのが毎朝の日課。

 

さて、今お話ししている限りだと普通のコーヒー農園に聞こえるかもしれませんが、実はただの農園ではないんです。

 

 

お茶からコーヒーへ

実はこの農園、昔はお茶農園だったんです。代々お茶農家を営んできた一家でしたが、イエイさんが運営を引き継いでからコーヒー農園に生まれ変わりました。

コーヒーを育て始めたのは17年前、農園のお茶の木が古くなってしまって収量も取れなくなってきた時期に新しい木を植えるか、またはお茶以外のものを作るかという選択肢がありました。その時にイエイさんは当時コーヒーの需要が伸びてきている事を知り、農園主である父に提案しそこから少しずつコーヒーを育てていきました。

徐々に徐々にコーヒーの敷地を広げていき、7年前に運営を引継ぎ、完全なコーヒー農園としてスタートを切りました。

 

農園内にあるお茶製造設備たち、焙煎機や乾燥機などいろいろ。

 

おいしいコーヒーの探求

7年前にコーヒーの生産により本腰を入れ始めたイエイさんですが、同時にカフェの経営も始めました。焙煎も学び、お店では自家焙煎で自分の農園のコーヒーを提供しています。

全ては自分の農園で最高に美味しいコーヒーを作るため。地区の焙煎競技会でも優勝するほど、腕前もピカイチです。

 

もちろん彼はコーヒーの生産にも全力を注いでいます。知識ゼロの状態でコーヒーの生産を始めて、しばらくはおいしいコーヒーが作れず苦しむ時もあったそうですが、それでも彼は探求し続けました。

時には専門家を呼んでアドバイスを求めたり。僕たちの滞在中にも専門家の方を呼んで土壌調査を行いコーヒーの木に栄養が適切に送られているかなどの調査を行っていました。普段からも農園で育っているコーヒーの健康状態をチェックしたりと管理を怠りません。

 

台湾コーヒー業界の友人を呼んで農園ツアーも開催。培ってきた知識をみんなで共有、熱のこもった解説をしていました。

 

ユニークな生産

この農園はコーヒーの生産の仕方も他とは一味も二味も違っていました。

まずはイエイさんの発想豊かなアイデアやクリエイティビティ。一般知識や固定概念に囚われない自由な生産を行っています。

突然思いついた精製方法を楽しそうに作るイエイさん、正直その方法に根拠があるのか分かりませんでしたがとにかくピュアに美味しいコーヒーを作るための可能性を探っているそう。色々なフルーツ果汁を使った発酵なども行っていました。

 

そして、お茶の生産に使用していた機材を利用した精製。お茶を乾かすための乾燥機を使ってコーヒー豆の乾燥をコントロールしたり、機内の温度を調整してそこでコーヒーの発酵を行ったりとうまく利用しています。元々あった巨大冷蔵庫も、低温での発酵実験を盛んにトライしていました。そこにあるものを最大限に利用してありとあらゆる実験をやっています。

 

CO2充填中、何が起こるのでしょうか。

 

パッションフルーツファーメンテーション。とっても贅沢な精製方法だなあ。

 

 

また、アジアのコーヒーをさらに美味しくするための僕たちのコーヒー精製の実験でも大きな収穫がありました。この滞在で得た知識や経験を生かした方法を他のアジア諸国でもトライし、更なるアジアのコーヒーの品質向上を目指していきます。

 

皆さんに今回の台湾のコーヒーも、近々楽しんでいただけると思います。

是非僕たちのこれからの活動と、ポテンシャル溢れるアジアのコーヒーの発展にぜひご期待ください!

 

乾燥機を用いた発酵実験、かなり手ごたえがありました。サンプルが完成してテイスティングするのがとても楽しみです。

 

精製実験では予想外の新発見も。一体どんな味わいになるんでしょう。

 

 

宮崎弘隆

LIGHT UP COFFEE

 

 

前回のバリ島での取り組みの記事もよろしければご覧ください。

宮崎弘隆の精製所レポート – バリ島にできた新しい精製所