コーヒーの精製方法 ナチュラルとは
こんにちは、LIGHT UP COFFEEの川野優馬です。
今回は、コーヒーの主な精製方法である「ナチュラル」(Natural)についてご紹介していきたいと思います。
前回の記事では、コーヒーの精製とは、そしてもう1つの主な精製方法である「ウォッシュト」についても紹介したので、そちらの記事もぜひご覧ください。
ナチュラルの工程
ナチュラルプロセスのコーヒーは、次のような流れでつくられます。
1. 収穫
コーヒーの収穫期は基本的に年に1回。コーヒーの木に実ったチェリーを収穫するところからはじまります。できる限り赤く完熟になったチェリーを選んで収穫します。
2. 乾燥
ナチュラルプロセスは、皮むきや水洗いをせずに、収穫したチェリーをそのまま乾燥させる精製方法。チェリーをそのまま乾燥台に並べ、中の生豆が水分量10~11%になるまで乾燥させます。
乾燥が進んでくるとコーヒーチェリーは黒ずんでいき、熟度の違いが判別できなくなるため、乾燥台に載せたらチェリーの色が変わる前に熟度選別を行います。写真のように、緑やオレンジといった未熟なチェリーを取り、完熟のチェリーだけに揃えることで風味豊かなスペシャルティロットとなります。
3. 脱穀
最後に乾燥したチェリーの皮と殻を脱穀機でまとめて脱穀して、中の生豆を取り出せば完成です。
ナチュラルの特徴
味わいとして、乾燥中にチェリー内で起きる発酵によって、個性的なフルーツを思わせる風味になることが大きな特徴です。ベリーのような風味が感じられることが多く、その熟した甘い果実の印象は多くのコーヒーファンを魅了しています。
ナチュラルプロセスの風味のコントロールは非常に難しく、乾燥中の天候の影響を大きく受けてしまいます。雨が降ったり湿気が多い地域だと、乾燥が終わるまで非常に長い時間がかかってしまい、品質も不安定になってしまいます。
乾燥時にチェリーを厚く重ねて置いておくと空気はこもりより発酵が進んだナチュラルに、薄く広げて通気を良くすることで発酵が進みすぎないナチュラルに仕上がります。乾燥させる前半に日陰で乾かすことで発酵を促したり、日々攪拌をして水分のムラを整え乾燥を効率的にしたりと、同じナチュラルプロセスでも目指す仕上がりに応じて乾燥台の上での状態をコントロールしていきます。
ウォッシュトに比べ、ナチュラルは乾燥台の上でかさばるため、ある程度乾燥スペースに余裕のある精製所でないとナチュラルは安定的につくれません。乾燥台が埋まってしまうと、次のチェリーを収穫してきても精製して乾かすことができないため、収穫やチェリーの購入自体が止まってしまうことになります。そのため生産者によっては、場所をとるナチュラルは収穫期の中でも最後に行ったりすることもあります。
LIGHT UP COFFEEでは、できる限りクリーンな風味のナチュラルを見つけ、取り扱うようにしています。透き通っていて、豊かな風味はあるが飲み続けられるようなバランスを保っているような素晴らしいナチュラルに絞っているため、年間通して常にナチュラルのコーヒーを揃えられているわけではありませんが、美味しいものを見つけ次第常に仕入れていっています。
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