シングルオリジンコーヒーとは
こんにちは、川野優馬です。
この記事では、私たちが取り扱う「シングルオリジンコーヒー」とは何なのか、ご紹介していきたいと思います。
シングルオリジンコーヒーとは、そのまま日本語に訳すと、単一産地のコーヒーという意味です。1つの産地で生産されたコーヒーを混ぜることなく、その産地のコーヒーだけでわけて仕入れたコーヒーです。
ここでいう産地とは、主に農園のことです。コーヒーは、品種、精製方法、熟度、環境の影響などによって風味が変わるため、農園ごとにコーヒーを分けて出荷することで、その農園ごとの個性を楽しむことができるというのが、このシングルオリジンコーヒーの主な価値です。
さらには同じ農園であっても、品種ごとにロット分けを行ったり、「ウォッシュト」や「ナチュラル」といった精製方法ごとにロットを分けたり、畑の区画や標高ごとにロットを分けたり、収穫したタイミングで分けたりと、より細かいロット分けによって、細かい個性を楽しめるようになってきています。
私たちは焙煎からおこなっているため、生豆で仕入れているのですが、生豆も同じ農園であっても品種や精製方法ごとに複数の銘柄があり、その中で品質や個性の面で最適なものを選び、小さいロットで仕入れを行っています。
そのおかげで、混ぜてしまっていては感じにくくなる、その品種だからこその個性や、精製方法による違いがダイレクトに感じられ、生産者の仕事や努力がより1杯のカップに現れるようになります。飲む方にとってはより感動のあるコーヒーになり、橋渡しをする私たちにとってはより伝えがいのある個性になり、生産者にとってはそれぞれの個性を評価してもらえることで、コーヒーの販売価値を上げることや収益増加にもつながっています。
アフリカの生産地だと、1つの農園の大きさは小さく、裏庭栽培のような形で小規模でコーヒーの木が育てられていることが多いため、その場合は周囲のコーヒーチェリーを複数の農家さんから買い集めまとめて精製を行う「精製所」単位でコーヒーが出荷されることが多くあります。そのためシングルオリジンコーヒーと言っても、より小さな単位の農園名で表記されているコーヒーがあれば、精製所の名前で流通しているコーヒーもあるのです。
コーヒーは農作物で、人の仕事によって美味しくなっています。チェリーをどこまで熟した状態で収穫できるか、収穫した後どんな精製を行っているか、どんな品種でどんな環境で育てられているか、そんな豆ごとの個性をぜひお楽しみください!