コーヒーの知識 Vol.2 – スペシャルティコーヒーができるまで 前編

2020.10.19
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1杯のコーヒーができるまで、どんな仕事があるのでしょうか。今回は私たちがお届けしているスペシャルティコーヒーについて、生産国での栽培〜収穫、消費国での焙煎や抽出について、農園からコーヒーショップまでの1つ1つの工程について、前後半に分けてご紹介していきます。

 

栽培

コーヒー豆はもともと、コーヒーノキと呼ばれる植物の果実であるコーヒーチェリーの種子の部分です。コーヒーノキを育て、収穫したコーヒーチェリーから種を取り出して乾かし、薄い殻を取れば生豆となり、それを焙煎して抽出することでコーヒーとなるのです。コーヒーノキは、年間通して同じような温暖な気候が続く赤道付近で育てられいます。背丈は人間の身長ほどで、苗木から収穫可能な木に育つまで3〜5年かかります。有名な生産地といえば、コーヒー発祥の国エチオピア、同じくアフリカのケニアやルワンダ、南米のブラジルやコロンビア、中米のグアテマラやコスタリカ、アジアではベトナムやインドネシアがあります。

 

基本的にコーヒーチェリーが実る収穫期は年に1回。コーヒー農園では、収穫期以外の栽培の時期が圧倒的に長く、その間コーヒーノキや農園のメンテナンスを行っています。生産地ごとに代々受け継がれてきた農園のメンテナンス方法は異なりますが、例えばインドネシアでは剪定技術が発達しており、収穫が終わった枝や日光を遮る枝、地面についてしまうほど長く垂れ下がった枝の剪定を行って通気よく効率的に、そして収穫しやすい背丈を維持してコーヒーノキが育つよう管理しています。他にも、肥料をあげたり、種から苗木にして木を増やしたり、生産量の落ちた古い木を切って接木したりと、収穫や出荷以外にも農園での様々な仕事があります。

 

コーヒーにはアラビカ種、ロブスタ種と大きく2つの分類があり、スペシャルティコーヒーには風味の良いアラビカ種が主に使われます。そしてアラビカ種の中でも風味や形が違う細かな品種があります。農園でつくるコーヒーの方向性はどんな品種を選ぶかというところから決まるのです。さらに、標高が高い場所の方が平均気温が低く、コーヒーチェリーが熟すのに時間を要します。これは良いことで、ゆっくり熟すことで密度の高い、風味の詰まったコーヒーとなるのです。エチオピアやケニアでは2,000m近い標高でコーヒーが育てられており、土壌や品種も相まって非常に華やかでフルーティなコーヒーが多いです。

 

収穫

コーヒーチェリーの収穫期は地域によって異なり、エチオピアやベトナムでは10月〜2月、ブラジルでは5月〜9月が収穫期となります。これは雨季のタイミングが地域によって違うからで、一般的には雨が降って6〜8ヶ月後にコーヒーチェリーが実ると言われています。

 

収穫期には、コーヒーノキの枝に実った緑色のコーヒーチェリーが赤く熟していくのですが、全てのコーヒーチェリーが一斉に赤く熟すわけではなく、日光や養分が届きやすい部分から徐々に熟していきます。コーヒーの風味で言えば、いかに熟度の高いコーヒーチェリーを揃えられるかということが品質に大きく影響するので、熟度を選んで収穫できるよう、主に手作業で収穫が行われています。緑色の未熟なコーヒーチェリーは収穫せずにそのままし、2週間後熟した頃にまたやってきて収穫、といったことを2〜3ヶ月ほどかけて複数回繰り返します。品種にもよりますが、1本のコーヒーノキから3〜5kgほどのコーヒーチェリーが収穫できます。

 

精製

収穫されたコーヒーチェリーは精製所へ持ち込まれ、精製を行うことで生豆となる種子部分を取り出します。様々な精製方法があるのですが、スペシャルティコーヒーで最も一般的なのが、皮を剥いて洗って乾かす「ウォッシュト (WASHED)」と呼ばれる精製方法です。ウォッシュトの工程は次のような流れです。

 

収穫したコーヒーチェリーはその日のうちにパルパーと呼ばれる機械で皮むきをします。その後、1〜3日程度発酵タンクで発酵させます。発酵によってコーヒーの種の周りについている糖分が水や二酸化炭素に分解されるのですが、ここではpHを測ったり水分やガスの出方をみながら発酵度合いをコントロールします。発酵が不十分だとフルーティな香りや複雑さは出ず、発酵しすぎてもキツい風味になるので、素晴らしい風味のコーヒーをつくるためにはこの発酵の技術が必要不可欠です。

 

その後水洗いされ乾燥されます。コーヒーは10%ー11%の水分量が品質において最も適切とされており、水分量を測りながら2ー4週間かけて乾燥されます。効率的に乾燥するために通気の良い乾燥台を用意することや、ムラなく乾燥するために毎日攪拌することも大切です。最後出来上がったコーヒー豆は、「パーチメント」と呼ばれる薄い殻がついている状態なので、出荷前に脱穀機で脱穀してから、中の生豆を麻袋などに入れて船で消費国へと輸出します。

 

コーヒーの味は誰が作っているか

私たちLIGHT UP COFFEEは、焙煎や抽出で美味しくコーヒーを仕上げていますが、素材を作る生産者が最も偉大だと感じています。肉体的、期間的にも大変で、収穫のチャンスは年に1回しかない中で、気候変動と闘いながら毎年美味しいコーヒーを作る生産者たち。ロースターである私たちはその意思と、意思が結果として表れた美味しい個性を引き出し整え、橋渡しとして皆様へと届けてまいります。

 

 

 

LIGHT UP COFFEE