コーヒー屋がティラミスと本気で向き合いました

この半年間、チームで最高においしいティラミスを目指して試作を繰り返し続けてきました。そしてついに完成しました。

https://lightupcoffee.com/products/tiramisu

今日はなんでコーヒー屋である僕たちがティラミスを作ろうと決めたのか、そしてティラミスをつくるにあたっての試行錯誤を書いてみたいと思います。

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お菓子をつくる理由

もともと僕たちはコーヒーの魅力を伝えるという思いで、シングルオリジンコーヒーという生産者ごとに細かくロット分けされた個性あるコーヒーを仕入れて販売してきました。全てのコーヒーは下北沢の焙煎所で、毎週テイスティングを繰り返しながら焙煎しています。

でもコーヒー豆を買っていただけるのは、すでにコーヒーを家で淹れる文化がある人、もしくはこれから器具と一緒に買ってはじめようという方。地味に器具のハードルも高いコーヒーなので、もっと気軽にその魅力に触れて、コーヒーをはじめるきっかけになるような体験もつくりたいと思い、これまでコーヒープリンやコーヒーカヌレといったお菓子をつくってきました。

 

コーヒーのお菓子と言ったら一番はティラミス。コーヒーの素材のことを知り尽くした僕たちが本気でティラミスに向き合ったら、どれだけ美味しい体験がつくれるだろうと話しました。

そして今年の頭に、世界一おいしいティラミスをつくろう!と決めて動き始めました!

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まずは伝統的なレシピから

今年の頭に新しく元パティシエのメンバーがバリスタとしてLIGHT UP COFFEEにジョインしてくれました。彼は東京でもパリでもパティシエ経験を積んできた猛者で、味覚や伝える表現という面でバリスタの戦力としても、新たにコーヒーの魅力をお菓子として伝えるパティシエとしても最高の存在感でした。

 

まずは伝統的なティラミスのレシピを試すところからはじめました。ここから鬼の半年の試作が続くことになるのですが、一番苦労したのは、コーヒー感とクリームのバランスでした。

 

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伝統的なティラミスって基本味わいが濃厚で、エスプレッソも苦くて、このレシピに合わせてクリームをつくると、なかなか浅煎りのシングルオリジンコーヒーである意味が感じられない。

これはこれで良いのですが、ただの濃厚でおいしいティラミスになってしまいました。笑

 

クリームが濃厚で重く、コーヒーも繊細さというよりもボディー感、強い味、という感じになっていました。味の濃さに、コーヒーの良さが潰れてしまっていた感じ。クリームの甘さが強すぎたので、甘さを減らしていこうと考えました。

 

コーヒーの個性を増やす調整

伝統的なティラミスには、ロブスタ種という低地で大量に育つ、パンチの強い味わいのコーヒーを深煎りにして使います。浅煎りのシングルオリジンコーヒーだからこその酸やフルーティさ、面白さや個性を伝えるためのレシピ。

クリームの甘さを穏やかにしつつ、まずはコーヒーの個性をもっと増やそうと、エスプレッソを染み込ませたスポンジの量を増やしました。バランスが崩れて、酸も強くてエスプレッソの味が強くてしんどくなってしまいました。。

 

エスプレッソの量は多くしすぎても全体のバランスが崩れてしまうので、エスプレッソに注目するより、エスプレッソを引き立てて調和するクリーム作りが大事だと気づきました。

最初はコーヒーに酸があるから、クリームも酸によせて、軽やかな感じがいいかな?と思い、クリームチーズ入れて爽やかに仕上げてみました。そうすると、爽やかになったけど、クリームチーズの乳脂肪分でクリームの質感が重くなってしまい、質感が重くなったことでコーヒーが苦く感じるようになってしまいました。

爽やかな印象がある一方で後味は苦い。クリーム単体で食べるとおいしいのに、エスプレッソと合わせると調和しない。。難しい。。。

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甘さがあるから風味が生きる

そう困ってた頃に、エスプレッソに入れる砂糖が今までストイックに少なくしすぎていたことに気付きました。根本は甘さのバランスでした。お菓子だから当たり前と言えば当たり前のポイントなのですが、コーヒーに注目しすぎていたのかもしれません。。

少し甘さを増やすことでエスプレッソの酸味を丸くしてくれて、コーヒーとスポンジとの繋ぎになってくれて、全体的なエスプレッソとしての味のボリュームや果実感が増しました!

 

クリームはマスカルポーネ100%にもどして、フレーバーの部分でも甘い感覚を複雑にしようと、マルサラ酒(マスカットを使ってる)に加えてアマレット酒を加えることに行き着きました。

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エスプレッソのスポンジはコーヒーの存在感が砂糖の調整で増したので、少し薄くして、美味しいクリームも比率的に多く食べれるようにしつつ、全体の味わいを調整しました。

 

味ができたら最後は成形

そして最後はオンラインで届けられる形での製造。

最初はアルミの容器やプラカップを考えたのですが、切りやすく食べやすくするためには少し工夫が必要でした。

今年の2月のバレンタインの時期につくった「コーヒーに合うガトーショコラ」。これと同じように、スポンジ型で焼いて冷凍する形が良さそうと試作。冷凍で美味しさを保てて、冷凍したままカットもできる形でできました。

解凍レシピも研究して、冷凍した状態でカットして常温で20分解凍と決まりました。パッケージデザインと食べ方ガイドをつくってついに完成です!!

仕上げにティラミスの上にはエスプレッソ挽きの粉をかけて、コーヒーの華やかさがより伝わるように仕上げました。

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ティラミス販売開始しました!

そんなコーヒー屋が本気で作ったティラミス、コーヒーのフルーティさや華やかさ満載です!

 

今回のレシピ調整、クリームとスポンジのシンプルな2要素になかなかに苦戦したけど、世界一おいしいだろうと思う自信の出来になりました!!!

どんな商品も、目標作って改善あるのみですね。

 

ところでティラミスの語源は、イタリア語で「私を引っ張りあげて」、転じて「私を元気付けて」という"Tirami su!"から。おいしいコーヒーで日常を明るく照らすと言う意味のLIGHT UP COFFEEとつながっている語源で、個人的にもとても気に入っています。

 

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ティラミスはWEB販売で全国にお届けしているので、ぜひ一度食べてみてほしいです...。
https://lightupcoffee.com/products/tiramisu

 

コーヒーの美味しさがみんなに気軽に伝わりますように。

 

川野優馬

https://note.com/yuma_lightup/n/nc733ead2cdc7