2021年の終わりに
2021年はどんな1年だったでしょうか。
LIGHT UP COFFEEにとっては、自分たちを見つめ直し、磨いた1年でした。
コロナの流行で、いろんなことが「できない」時期だからこそ、僕らが「できる」事は何なのか。コーヒーが美味しい意味、私たちが存在する意味は何なのか。持っている強みを見つめ直し、やりたいことや方向性を明確にし、コーヒーもさらに美味しく磨き込みました。
日本に入ってくる生豆も限られてしまったり、入庫時期が変わったりと、生豆の仕入れの変動があるからこそ、新しい仕入れルートを開拓しました。これまで扱わなかった新しいラインナップも加わり、毎月常に違うコーヒーを、新鮮で楽しいコーヒーを提供し続けることができました。全国に毎月お送りしているコーヒー豆の定期便もたくさんの方にご参加いただき、皆様の元ヘは月替りで新しいコーヒーをお届けし続けることができました。お店に来ていただく度、そしてコーヒー豆が届く度に、新しいコーヒーとの出会いや、コーヒーのわくわくを感じてもらうことが、私たちが届けたい体験であり使命です。
焙煎も実は、この1年でさらに進化しました。毎週つづけてきたカッピング。エイジングによる変化も観察しながら、数千にものぼる全バッチの風味を確認し、どう焙煎するともっと美味しくなり豆ごとの個性が伝わる焙煎になるのか、Quality Controlチームで議論を重ねアップデートしつづけてきました。LIGHT UP COFFEEでは、豆ごとのわくわくする「個性」と、毎日飲みたいと思えるような味わいの「バランス」、この2つの軸を両立させることを美味しさのコンセプトとしています。まずは魅力的な素材を仕入れるためにできる限りの選択肢からの仕入れに注力した上で、焙煎工程のそれぞれのフェーズでの火の加え方や温度や時間を改めて模索し続けた結果、ふと振り返ると、今年は過去一番コーヒーが美味しく伝えられたと実感できた1年でもありました。
また、生産地にも行けないからこそ、応援する生産者のコーヒーや良いと思ったコーヒーを、できる限り多く仕入れられるよう努力しました。生産や農園づくりから関わらせていただいているインドネシア・バリ島とベトナム・ダラットのコーヒーも、今年も変わらず皆さんのもとへお届けすることができました。これらのアジアのコーヒーはすべて生産者の言い値で直接買わせていただいています。
3年前に精製所の建設からはじめたバリ島のコーヒーは、今年アジアで初開催となったコーヒーの国際品評会Cup of Excellence Indonesiaにて86.88点でNational Winner受賞という結果を得ることができました。(87点以上でCOE受賞だったので少し悔しいですが、現地のメンバーも含め、つくったコーヒーが国際的にも認められる品質だということにとても喜び、来季の生産に向けて意気込んでいます。)
コーヒーをもっと気軽に、器具を持っていない方にも楽しんでもらいたいと、昨年開発した「エスプレッソキューブ」や、ティーバッグ式の「コーヒーバッグ」をはじめ、「珈琲カヌレ」や「ティラミス」、「コーヒーシュトーレン」といった、コーヒーの美味しさが詰まったお菓子としてもお伝えしてきました。ここまでコーヒーを題材にお菓子づくりに取り組んだ1年もはじめてです。バレンタインの季節には、浅煎りのコーヒーに合う「ガトーショコラ」も製造し、1年通して多くの方にコーヒーとお菓子の体験を楽しんでいただき、お菓子を通してコーヒーの魅力をお伝えできたことが嬉しく思います。
私たちが大切にしていることやコーヒーの楽しみ方をもっと伝えられるように、28ページにわたるストーリーブックもつくりました。この冊子はWEBショップでご購入の皆様にお送りし、全店舗でも手にとっていただけるよう置いています。また、創業当初から運営していた公式WEBページとコーヒー豆のWEBショップを11月に統合・フルリニューアルし、コーヒー豆がさらに選びやすくなりました。「私たちについて」というページには、できる限り思いが伝わるように、店舗オープンのストーリーから、産地や日本での取り組み、主要メンバーの言葉までまとめています。
自分たちができることを磨き、工夫しながらコーヒーを伝え続けてきた2021年でした。来年はコーヒーの魅力をもっと深く、そして広くも伝えていけるよう努力してまいります。「美味しいコーヒーで毎日を明るく照らす」ということが、LIGHT UP COFFEEのミッションです。
皆様と一緒にコーヒーを楽しみ続けていけることが、私たちもとても楽しみです。
2022年もよろしくお願いいたします。
川野優馬
LIGHT UP COFFEE