aillio Bullet R1 V2 レビュー / 家庭用サイズで本格焙煎できる電動コーヒー焙煎機
こんにちは、LIGHT UP COFFEEの川野です。
今日は、電動焙煎機の中でも高い注目を集めている aillio Bullet R1 V2 について紹介します。
aillio Bulletは、家庭用サイズの焙煎機でありながら、実際にはプロの焙煎にも十分使える性能を備えたモデルです。
最大1kgまで焙煎できる容量、温度や操作を数値で管理できる設計、そしてPCと連携して焙煎ログを残せる点から、最近ではこのBulletを使ってコーヒーショップを始める人も増えてきました。
今回は、実際に使って感じた aillio Bullet R1 V2の特徴や使い心地 を焙煎の一例と共に紹介してきます。
→ BULLETが届いてから設置、焙煎するまでの流れをまとめた記事はこちら
aillioというメーカーについて
aillioは、デンマークを拠点とする焙煎機メーカーです。
家庭用から業務用までを強く意識した電動焙煎機を開発していて、Bulletシリーズはその代表的なモデルになります。
aillioの特徴は、焙煎を「感覚」だけに頼らず、温度、時間、エネルギーのかかり方をできるだけ見える形で扱えるように設計されている点です。
Bullet R1 V2では、接触式の豆温度に加えて、赤外線で豆表面を測るIBTSセンサーを搭載し、焙煎中の温度変化をかなり細かく追えるようになっています。
さらにPCと接続することで、
焙煎中の温度、RoR(温度上昇率)、ファン、ドラム回転、パワーの操作がすべてログとして残り、あとから焙煎を振り返ったり、同じプロファイルを再現したりすることができます。
焙煎中の温度、温度上昇率(RoR)、ファンの強さ、ドラム回転数、電力。
これらをPCと連携しながら数値で管理できるという点が、Bulletの大きな特徴です。

Bullet R1 V2の立ち位置
Bullet R1 V2は、家庭用ロースターとして紹介されることもありますが、
実際には「家庭用」と「業務用」の中間にしっかりとしたポジションを持つ焙煎機です。
サイズ感は卓上に置ける範囲でありながら、最大1kgまで焙煎できるキャパシティを持ち、
100gなどの少量焙煎から、ある程度まとまったバッチまで対応できます。
自宅で焙煎を楽しみたい人はもちろん、小規模なロースタリーや、焙煎を内製化したいコーヒーショップが最初の一台として選ぶケースが多いのも、このBulletの特徴です。

電気式ロースターならではの使い心地
Bullet R1 V2は電気式のロースターです。
ガスを引く必要がなく、電源があれば使えるという点は、設置のハードルを大きく下げてくれると思います。
一方で、電気式の焙煎機なので、熱の入り方や反応の出方はガス焙煎機とは少し異なります。
パワーを上げた瞬間にすぐ豆温度が跳ね上がる、というよりも、熱がドラム全体に伝わり、熱風を介して豆に影響が出てくる、という感覚に近いです。
操作と温度変化の間にはわずかなタイムラグがあるので、その遅れを見越しながら操作していく必要があります。
ただ、その挙動が見える形で記録されるので、焙煎を重ねるほどに、ロジックとして理解しやすくなっていきます。

焙煎の流れはとてもシンプル
Bulletの操作自体は、とてもシンプルです。
・余熱温度を設定する
・豆を投入すると自動で焙煎がスタート
・Power、Fan、Drumを調整しながら進める
・狙ったタイミングでドロップ
・クーリングモードで一気に冷却
余計な操作が少なく、「焙煎そのもの」に集中しやすい設計だと感じます。
豆を投入すると自動でタイマーがスタートし、温度やRoRを見ながら、その時々で操作を加えていく。
「今どうなっているか」を画面で確認しながら進められる感覚に近いです。
焙煎に慣れていない人にとっても、今どの工程にいるのかが分かりやすいのはBulletの良さだと思います。
aillio Bulletの使い心地
実際に使っていて感じるのは、Bulletは焙煎の修正や改善がしやすい焙煎機だということです。
一回焼いて終わり、というよりも、焼いて、ログを見返して、次を考える。
そのサイクルを自然に回せる設計になっています。
焙煎の考え方は人それぞれあると思いますが、僕は焙煎はカッピングと焙煎レシピの評価の時間が大事だと思っています。
味わいと照らし合わせながら、時間や温度をどう変えればさらに目指す美味しさに近づくのかを考えること。
aillioであれば、焙煎ログは自動で保存され、温度カーブや操作のタイミングなどをあとから見返すことができます。
うまくいった焙煎も、うまくいかなかった焙煎も、どこで何をしたかが残るので、感覚だけに頼らずに調整していけるのは大きなメリットです。
また、クーリングの速さもBulletの特徴です。
ドロップ後は一気に冷却されるため、焙煎の終点をはっきり作りやすく、焼き止めの再現性も高く感じます。

焙煎レシピの一例(300g)
ここでは、実際に美味しく仕上がった川野のお試し焙煎の一例を、あくまで参考として紹介します。
・豆:エチオピア ウォッシュト
・生豆量:300g
・投入温度:255℃
・ファーストクラック:7:05
・総焙煎時間:8:36
・IBTS終了温度:203℃
1週間ほど置くことで、エチオピアらしい明るさと果実感がより感じられるようになりました。優しい甘さがじわっと伸びていくような印象で焙煎できたと思います。

このレシピ自体が正解、というつもりで紹介したいわけではありません。
焙煎する人それぞれに目指すおいしさがあると思いますし、生豆という素材によって最適な焙煎レシピは変わってくると思います。
上記のレシピはあくまで一例なのですが、Bulletの良さは、こうした条件を「再現できる形で残せる」ことと、そこから微調整を重ねていける点にあります。
レシピや焼き方そのものよりも、焙煎の過程を捉えられること。
そこにaillio Bulletの価値があると感じています。
aillio Bullet R1 V2はどんな人に向いているか
aillio Bullet R1 V2は、
・自家焙煎を始めたいが、再現性も重視したい人
・焙煎を感覚だけでなく、数値とログで整理したい人
・少量焙煎から、ある程度の量まで柔軟に扱いたい人
こういった人にとても向いている焙煎機だと思います。
まとめ
aillio Bullet R1 V2は、電気式ならではの安定した加熱と、データ管理のしやすさを活かして、焙煎を積み重ねていける焙煎機です。
焙煎を「続けていきたい」と考えている人、うまくなりたいと思っている人、焙煎の変数や論理をつかみたいと思っている人にとって、とても頼れる一台だと思います。
川野がaillio Bullet R1 V2を紹介した動画も参考にしてみてください









